ポートフォリオ理論を使ったポジションサイジング

Eyecatch システムトレード実践編

 今回は、「ポートフォリオ理論を使ったポジションサイジング」について詳しく書きます。

ポートフォリオ理論

 皆さんポートフォリオ理論はご存知でしょうか?おそらく聞きなれない人が多いと思います。

 ポートフォリオ理論とは、ノーベル経済学賞を受賞した「ハリー・マーコビッツ」という人が考え出した理論で、簡単に説明すると「一つのものに投資するよりも、分散して投資した方がリスクが低くなる」というものです。

 何故リスクが低くなるのかと言いますと、相関係数というのが関係しています。相関係数とは、簡単に説明すると二つのものの間にどれだけ似た部分があるかということです。

 例えば、冬場にしかやっていないスキー場と冬場にしかほとんど使わない灯油は相関があります。また、夏場にしかほとんど売れないカキ氷と冬場によく売れるおでんの売り上げは逆相関になります。このように、二つの売り上げなどのグラフを比べて、どれだけ類似点があるのかを出したものが相関係数です。

 そして、この相関係数が低くければ低いほど、分けて投資した時にリスクが低くなります。例えば、カキ氷を売る事業とおでんを売る事業を持っていたとして、両方とも年間を通しての利益は黒字だとします。しかし、カキ氷は夏場にしか、おでんは冬場にしか利益を出していません。
 個々のグラフを見ると損益グラフは季節によって上がっていたり、下がっていたりで上下の差が激しいですが、二つのグラフを合わせると、夏場はカキ氷が、冬場はおでんが利益を上げて、コンスタントに利益を上げている損益グラフが出来ます。

 このポートフォリオ理論をシステムトレードに応用します。まず、AシステムとBシステムがあったとしてプロフィットファクター、最大ドローダウンなどの成績は同じぐらいだとします。ただし、相関係数は低く、動きにほとんど関係がないとします。基本的に相関係数が低い場合、最大ドローダウンの時期が重なる確率は低いので、 どちらか一つのシステムに資産を集中させて使うより、二つのシステムに資産を分けて使う方が最大ドローダウンが二倍ぐらい違ってきます。


 このように、出来るだけ相関がないシステムを複数運用することによって、リスクを低下させることが可能です。


 相関係数の計算方法は少し難しいので、興味がある人は他のサイトで探してみてください。ポートフォリオ理論は有名なので簡単に見つかると思います。

 今回は、これで終了です。次回は、逆マーチンゲール手法を使ったポジションサイジングです。

注意

内容には注意を払っていますが、保障は出来ません。
実際に運用する場合は、自己責任でお願いします。 

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